[climbing] joshua tree 日々の記録 part 3
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グランドキャニオンの手前のモーテルで起床。いつも通り6時に起きたはずが時差の関係でアリゾナタイムだと7時過ぎ。
カリフォルニアから隣のアリゾナに来ただけなのにタイムゾーンが変わるなんて、アメリカはでかい。
ささっと朝食を済ませて一路グランドキャニオンへ。
このモーテルに来るまでに結構雪深い森林を通過した。モーテル付近は雪こそ無いものの、車のウィンドウに氷が張る程度には気温が低い。
そもそもの高度が1500を越えているから、寒いのは仕方ないのだけど。
赤茶けた崖はいつまでたっても見えない。それどころか、グランドキャニオン国立公園に近づくとますます辺りは雪山の装いを深くしている。
中に入ってからも辺りの様子は一向に変わらず、ここがグランドキャニオンであることを信じられないままビューポイントに近そうな土産物屋のパーキングに駐車。
店の伯父さんにビューポイントまでの道を聞き、向かう。
青空が見え隠れする中、ハラハラと雪が舞う。深緑の針葉樹は白い雪と青い空とのコントラストを主張するように風にそよぐ。
yavapai market plazaの前の駐車場に停めたんだけど、そこからビューポイントまでシャトルバスが運行していたらしく、何度か抜かれた。しかも、ビューポイントにも駐車場があった。
大自然を満喫出来たから良し。
ビューポイントまで来ても完全に雪山だったが、道の先が明るく、森が途切れているようだ。
ドキドキしながら進む。
腰より少し高いぐらいの銀色の柵が見え、その先の地面が無い。
白かった視界が一気に赤茶色に染まり、眼下に異様な光景が広がる。
これがグランドキャニオンか!
8時間という長旅の中で膨らんだ期待を裏切らないインパクトだった。
その後はビジターセンターに寄ったり土産物屋を物色して、グランドキャニオン国立公園を後にした。
まさか、グランドキャニオンに雪が降るなんて想像もしなかった。ちなみに、このビューポイントは高度2000ぐらい。
次の目的地はカジノで有名なネバダ州ラスベガス。グランドキャニオンから少し南下した後、西に進む。
ネバダ州とアリゾナ州の境目にコロラド河が流れていて、その付近で渋滞につかまった。
都市部以外での渋滞が今まで無かったから不思議だったんだけど、この州境にバーカーダムという非常に重要なダムがあって、観光地としてもかなりメジャーらしい。
そこへの唯一のアクセスがこの道路、というわけで渋滞ポイントだ。しかも、ダムへ行く道では検問みたいなこともしていたので、ますます流れが悪くなる。
ダムの上を通らないハイウェイを建造中のようだったから、完成したらかなりマシになるんじゃないかな。
ネバダ州についた途端、立派なホテルからただのモーテルまで急にカジノをアピールし始める。
遠くに映画で見たようなタワーが見えたり。
グランドキャニオンからは予定通り5時間ほどでラスベガスに到着したが、車を停めることも出来ず、気がついたらUターンしていた。
ハイウェイから降りて並んだ車線がまさかのUターン専用車線。呆気に取られる暇もなく来た道を戻っていた。ラスベガスは怖いところだ!
もう2人とも若干疲れていたのか、あっさりとラスベガスを諦めてジョシュアツリーに帰ることに。
今回泊まったモーテルにWi-Fiが無かったことがかなりショックだったんだけど、途中で寄ったマックにフリーWi-Fiがあったのでインターネットを堪能。
やっぱりこれが無いと。
雪山さんは帰りに寄ったスーパーでサボテンとbutternut squashとアーティチョークをちゃんと買っていた。感想が楽しみ。
12
いつものように6時に起きたけど、昨日テントについたのが23時過ぎだったせいか凄く眠かったのですぐに寝直した。
でもめちゃくちゃ寒くて寝付けないでいたところに外から雪山さんの声がしたのでテントから顔を出したら、なんと吹雪いていた。でも晴れていた。
アメリカは凄い。頭上に雲が無いのに雨が降ったり雪が降ったりする。しかもみぞれじゃなくてパラパラした雪。
9時まで寝直したらすっかり雪はやんでいて、風が強いけど気温もそれなりに上がっていた。
雪山さんの提案で午前中は下界に出てランドリーに行くことに。
あんまり寒いと登るモチベーションが上がらないので出来れば回避、という点で似ているのか、僕のやる気が低いのがバレていて気を使ってもらってるのか。
ともあれ、太陽が当たってる部分が暖かいだけなので、もう少し気温が上がるまで待つのは大賛成。
暖かい日差しの中車を走らせてjoshua treeの街へ。国道に出てすぐ左側にコインランドリーがある。
日本では一度も利用したことが無いから比較は出来ないけれど、入れ替わり立ち替わり沢山の人が利用していることに驚いた。
ランドリーの待ち時間は山道具屋さんとその向かいにあるお土産屋さんへ。
自分のギアは持ってないのにギアラックを買ってしまった。給料が出たらカムを買おう。
洗濯の後はランチ。ランドリーの右側にあるタイ料理に向かうも定休日。反対側に結構繁盛した感じの食事も出来るカフェがあったのでそっちに行った。
ここもアメリカっぽい感じで雰囲気が良い。店員のにーちゃんが直径20cmもありそうなピアスをしていてちょっとビビる。
オニオンとアボカドのバーガーでサイドはサルサ&チップス。ヘルシーな感じで非常に美味しい。日本にあったら通いたいレベル。サルサもお店のオリジナルでちょっと辛いけどフレッシュで癖になる感じ。ジョシュアツリーにお越しの際は是非。
ランチの後、ようやく岩場へ。今日はノンビリです。
geology tour roadに行き、jerry's quarryのequinox 5.12cと対面。遠くから見たらあまり大きく無いように見えたが、ほぼ垂直に高さ20メートルは超える岩に斜めに走るフィンガーサイズのクラックは圧巻。
その面にはequinoxのクラックしか無いのがまたカッコ良い。
ちよっと今回は無理、とのことで同じくjerry's quarryの東側にある40メートル近い5.10bにトライ。
レスト明けでアップも無しに10bというのに腰が引けてたところはあると思うけれど、スタート直後が解決出来なかった。
雪山さん登ってもらいフォロー。リードで落ちていた箇所は解決したものの、その直後のクラックが浅くなる部分の保持がフォローでも厳しかった。
クラックから始まり、体が入りきらない程度のワイドクラックへ、最後は狭ーいチムニーで全身使って、とフルコース。
チムニーで手のひら、肘、肩、頭、背中、膝、肩、爪先と使える部分全て使って登ってる時は別の生き物になった気分だった。
その後はhidden valley campgroundまで戻って、intersection rockで宿題だった10cにトライ。
以前つっかえた部分をあっさり突破してRP。今回の旅行で初のRPで、ジョシュアツリーグレード更新。
足をおいた後に膝をしっかり入れたら抜群に安定して動く事が出来た。
ここ数日ホームシックなのか飽きたのか帰りたく無いのかこの生活が辛いのか、クライミングに対していまいちテンションが低かったんだけど、このRPですっかり復活。調子に乗って寒い中ヘッデン付けて走った。
帰りたくないでござる。
13
天気は最高。だけど気温がめっちゃ低くてすぐに外に出る気にならず、ご飯を食べてから二度寝。
8時頃に暖まってきたので、ぐるっとキャンプ場を歩いてからストレッチ。本当はもっと体を暖めてからやらないと効果が薄いんだろうな。クライミング後に比べて3分の2程度しか伸びない。
雪山さんからbutternut squash(変なカボチャ)とサボテン入りのスープをお裾分けしてもらった。醤油ベースの味付けだそうでホッとする味。ほんのりと苦味があるのはサボテンかな。凄くおいしかった。
キャンプ生活での食生活は凄く大事。僕ももう少し文化レベルを上げる努力をしよう。
ジョシュアツリーでの残り日数もカウントダウン段階。集中して登って行ろう。
キャンプ場近くのエリアでまだ行っていなかったbarker dame areaの方に行った。目的地はbarker dame areaのさらに奥にあるwonderland of rocksだ。
wonderland of rocksにはこの前行ったのだけれど、このエリアは物凄く広くてトポでも南北に分けて紹介しているぐらい。前回北部で、今回は南部に行った。
このエリアで驚いたのは僅かだけど水が流れていたこと。数日前に大雨が降ったからその影響かとも思ったけれど、今日は一日快晴だったし行きも帰りも流れていたからどうやら湧いているようだ。久しぶりの水のせせらぎに心が踊る。
初めて行くエリアでは、目的の岩を探し出す行程も楽しい。このwonderland of rocksというエリアはその名の通り、あたり一面に魅力的な岩山がそびえていて目移りしてしまう。
結局お目当ての岩を探し出す事は出来なかったけど、道中に見付けた魅力的なルートに思い思いにトライ。
the red obeliskという岩で久しぶりのフェース。花崗岩の細かいスタンスを拾うのが上達したような気がする。
最後に30メートル近いクラック(5.9)を登った時、雪山さんから随分安定して登れるようになった、と言ってもらえた。
これはいよいよカムを購入しないと。
日が傾いてから急に風が強くなってきて非常に寒い。基本的に砂漠気候なので、日向はすぐに暖まるけど、日陰は寒いまま。水分がないから温度が保持されない。
この数日、寒さで夜ちゃんと眠れていないらしく、寝不足の雪山さんの要望でレスト日じゃないけどモーテルに泊まることに。
夜はコインランドリーの並びにあるタイ料理。ひっきりなしに客が訪れるお店で味も上々。僕らが店に入った時は半分ほどだった客席もあっという間に埋まり、何組かは満席のために帰っていた。ジョシュアツリー側の国立公園入り口はお店が充実してる。
さて、残りは3日。昨日5.10cをようやく登ったばかりだけれど、intersection rockの5.11aが登れるんじゃないかと妄想中。凄くカッコ良いラインだし、長さもあるし、グレード更新目的以上に登りたいラインだ。