2015夏 八ヶ岳山行 - 2日目 大同心正面壁雲陵ルート&本沢温泉
2016/07/01
初日のダメージで元々悪かった膝の調子が悪化してしまったKsさんはこの日はお留守番。Kskさんと2人での行動。前日の小同心でちょっと手応えを感じてこの日は不安よりもワクワクのほうが上。さらに大同心正面壁雲陵ルートはフリーとしても5.9ぐらいの場所もあるそうなので相当楽しそう!
コースタイム
8/8
赤岳鉱泉(6:30) - 大同心基部(7:30) - 大同心の頭(11:30) - 硫黄岳頂上(13:00) - 夏沢峠(13:20) - 本沢温泉(13:50) - 本沢温泉(14:45) - 夏沢峠(15:30) - 硫黄岳頂上(16:20) - 赤岳鉱泉(17:30)
朝起きて朝食を済ませたらササッと準備して出発。初日に間違えてトラバース開始してしまったポイントが写真の場所。こうして見ると遠くに大同心も見えているし明らかな踏跡が左上にむかって続いているし間違えるわけないでしょ!って思うけれど、たどり着いたらトラバース、っていうのが念頭にあって横に道っぽいものが見えて、ガスが出て視界がなくなるとあれ?着いた?って勘違いしてトラバースしてしまう程度には右方面にも踏み跡が着いてます。要注意。今度はちゃんと左上して迷わず大同心の基部に到着。
一息ついたらいよいよ大同心を登るぞー!写真中央にある雲陵ルートの取り付きまでもかなり不安定に見える踏跡ですが意外としっかりしていてそうそう崩れたりはしなさそうです。
登山も含めて僕が運動している時の悩みは汗。とにかく汗っかきでズボンからシャツから体に張り付いてきて、自分の着ている服がいかに早く乾くのか、そして濡れないかは至上命題といっても過言ではないです。速乾を謳う色々なアイテムを試してきましたが、化繊系の素材でもちょっと厚手のものになると流れる汗の量に耐え切れずぐっしょり湿ってなかなか乾かなくなってしまう。
そんな悩みを解決してくれたのがファイントラックのドライレイヤー。どんなに汗をかいても濡れた不快感が無く、すぐに乾き、上に着ている服とのベタつきもない。数日来ていてもその性能は変わらず快適な山生活を僕に提供してくれる。もうコレなしで山に登るなんて考えられない!唯一の不満は謎のシマシマだったのですが、今調べたらもうシマシマ売ってないんですね。売ってないと思うと急にシマシマ愛おしい。
特に悩んでいたのが頭からの汗。頭がデカイのでキャップやビーニー等の帽子類は締め付けで頭痛がしてきて苦手。ヘッドバンド系も同様。歩いていると頭からの汗が顔に流れてきて目に入ることもしばしば。そこでバラクラバ。頭部全体にフィットするのでどこかが不自然に締め付けられることもなく、かつ全方面から流れる汗をサポート!周りの目さえ気にしなければこれで万事OK!さらに悩みの種だったシマシマも既にファイントラック様が解決済みとあって次からの山行がますます楽しみです。
取り付きから1P目核心のハングを眺める。ホールドはいくらでもあるしどうとでも登れそうなんですが、このうちのどれが掴んでいいホールドでどれがダメなホールドなのやら・・・。恐る恐る登るのでそれなりにパンプする感じもあるし疲労感もありますね。
無事にふたりとも登れて満面の笑み。2P目からは岩場というより草付きを登る感じでより不安定な岩が多かったので注意が必要。いかにも掴みたくなるような壁面中央部の大きな岩が浮いていたりと全く油断出来ません。道中は新しいPetzlのハンガーとサビサビのハーケンが入り交じってます。ビレイポイントは新しいハンガーが打ってある場所が多かった。大同心ヘッドウォール直下をトラバースする4P目の後半パートがびしょびしょでかなりビビりながら突破。KskさんはここのフォローでA0してしまったと悔しそう。でもトラバースはフォローで登る方が怖いので無理しすぎない判断はグッド。
4P目は本来最終ピッチの取り付きまで進んでからピッチを切るのが一般的なのかもしれないですが、あまり長くトラバースするのも嫌だったので中間部で一旦ピッチを切りました。腰掛けられるぐらいの広さがあったので絶景を眺めつつしばし休憩。西側の斜面を登っているので日差しはあたらず快適。
大同心正面壁雲陵ルートのハイライト!5.9?の最終ピッチを完登して記念撮影。最終ピッチを登っているところは登山道からも見えるそうで後でいろんな人に話しかけられてちょっとした英雄気分に(笑
きっと沢山の人の写真にちーーーーーーさく写ってると思いますw
初日に登ったのがこの小同心。あちらもなかなか立派だし高さとしては小同心の頭のほうが高いですね。この日僕達が大同心を登り始めた直後に3人組の別パーティーが小同心クラックを登っていました。ほぼ同時にあちらも登攀終了した様子。
完登した時の時刻はほぼ予定通り。計画を立てているときはわざわざ下ってまで本沢温泉行くのもなんだか面倒だな、と思ってましたが完登直後でテンウナ状態の僕達に怖いものなんてありません。しかし、テンウナすぎてロープ含め全ての装備を担いで下ってしまったことを後でちょっと後悔。担いでいった荷物はもっかい担ぎ上げないとならない!デポっとけばよかった。
ともあれ硫黄岳経由で本沢温泉へ。僕の人生初の縦走(2008年!)でへろっへろになりながら訪れた場所なのでとても感慨深い。夏沢峠から下ってくると小屋よりも先に温泉に到着しますが、入浴するにはそこから数分下った小屋でお金を払う必要があります。
いざ、入浴!記憶の中にあるよりも広めの浴槽、山に囲われ横を流れる川のせせらぎに包まれ青空の下で浸かる温泉!疲れが体から一気にしみだしていくような幸福感。しかし、歩きに歩いて脱水気味の2人は直後クラクラする頭を押さえながらあわてて水分補給をすることになるのでした。地上でもそうですが、運動直後に入浴するような場合は脱水症状にお気をつけ下さい。
つかの間の休息を楽しんだ後は2時間の登り返し!軽やかな心とは裏腹に温泉で芯まで暖められて吹き出す汗。シャリバテも手伝って鉛のように重い足。立ち止まっては先を眺めるも全く展望の効かない樹林帯。こうして永遠に続くかのように思われる道のりを一歩、また一歩と歩みを進めて目的地にたどりついた時の達成感はたまらないものが有りますね。
上の温泉の写真に写ってますが遥か彼方にあるように見える硫黄岳の山頂までゆっくり歩いてもものの2時間で到着してしまうのかと思うと驚きです。
最後は一気に赤岳鉱泉まで下ってこの日は終了。Yさんの二人組PTとも無事に合流して賑やかな晩餐、となるはずが僕はバテすぎて軽く食事をしたら19時にはテントにひっこんで泥のように眠りました。
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