[climbing] joshua tree 日々の記録 part 2
6
レスト日なので、目覚めたらモーテルのベッドの上だった。すでに雪山さんはPCに向かっていた。まだ朝の6時過ぎですよ。
昨晩はtweetがパラレルに展開してて面白かった。日本では昼のはずなのに、盛んに反応があった。みんな仕事は?
久しぶりにシャワーを浴びてベッドで寝たのだけれど、逆に体は少し重く感じた。多分、疲れが表面化したんだろう。
暫く部屋でだらだらした後に朝食を食べに一階へ(泊まった部屋は二階)。ビュッフェ形式で、ワッフルメーカーなるものがあったりドリンク飲み放題だったり、パンも色々な種類から選べたりして、つい食べすぎた。
これがモーテルで期待される朝食の上限だそうだ。凄く幸せだった。
その後も部屋で暫くだらだらした後は、メキシコ料理を食べにメキシコへ。
サンディエゴからは車で南に30分も走れば国境を越える事が出来る。車で越える場合は、一応ゲートを通るのだが、ビビって減速したりしていたらせかされた。ゲートがあるだけのようだ。
逆に、アメリカに入国する側は大渋滞している。
メキシコに入ると、距離はマイルからkm表記になるし、英語からスペイン語になるしで完全にパニック。とりあえず目に付いたショッピングモールに駐車して辺りを散策。
アメリカに、比べて全体的にホコリっぽくて建物が古い感じ。タクシーはプープークラクションを鳴らして道ゆく人にアピールするし、信号待ちの車に群がって何か売ろうとしてた。
あ、交差点が基本ラウンドアバウトだった。でも信号があちこちにあって、どの信号見てるのか全然わからない。
市場に入るとチリソースのような匂いがして、目がシパシパした。
地元の人向けの市場らしく、食材から食器からクスリからオモチャからなんでも凄い量が並んでた。
市場の軒先に著作権フリーな感じでマリオやアリエルやその他様々なキャラクターのかなり大き目の人形がところ狭しとぶら下がってたんだけど、あれは何に使うんだろう。
サボテンの葉の部分を細かく切って袋詰めしてるとこ見てたらおっちゃんがくれたので食べた。キュウリ系の不思議な味で、味噌と相性が良さそうだった。テキーラも勧められたけど、車だったから残念。
ランチはシーフードの店で、凄いでかいエビを食った。チリソースが3種類ぐらい出て来たんだけど、雪山さんは一番辛いやつをドバドバかけながら食べてた。
メキシコでは通貨違うらしいんだけど、USドルがそのまま使える。
帰りは雪山さんに運転を交代して一路ジョシュアツリーへ。
国境を突破するのに一時間以上渋滞にはまった以外は順調で、メキシコのティファナからyucca valleyまで4時間程で到着。
国境の渋滞は本当に凄かった。車線の間にいくつもの簡易露天があり、フルーツやジュース、お菓子を売っている一方で、車の間を歩き回りながら車を勝手に磨いたり、雑誌、謎の置物、布、ティーシャツ、果てはワイパーまで売ってた。
一回警官が現れて、車磨きをしていた連中は一目散に逃げ出していた。でも、物を売ってる人達はそのままだったので、どうやら認められているようだ。
少し悲しい気持になった。
まだ一週間程度しか過ごしてないのに、10号を降りるあたりの風車を見て、山を超えて荒野にでたら、ホッとした。
スーパーで食料を買って、ジョシュアツリーの入り口にある山道具屋に寄った。
この店は非常に品揃えが良くて、いるだけでワクワクするような店。
一足ダメにしてしまったので、セール品のspoltivaのvenomを買った。結構良い靴らしいので楽しみ。
実はソリューションとチーム5.10もあるんだけど、痛過ぎてジャムとか無理です。
7
今朝は妙に眠さが抜けず、起きてからだらだらFF1をやって、8時ぐらいから辺りを歩き回ったりストレッチしたり。レストのだらけが残ってるな。
朝飯を作ってたら、白髪のおじーちゃんがいきなり英語で話しかけてきた。日本からきた事を伝えたら、流暢な日本語で「クライミングのパートナーを探しています」って言われて驚いた。断っちゃったけど、車といい風貌といいバムっぽかったから一緒にやっても楽しかっただろうな。
最初は5.8とかのルートで肩ならし。hidden valley campground周りの岩なので、移動も楽ちん。
いつもより近くで早く登り始めたのに、終了点の回収やロープの回収に手間取ってずいぶん時間を使った。
回収のためにフリーソロで5.4のルートを登った。ほとんどチムニーだったけど、最後のフェースは怖かった。
ロープを引き上げたら、ロープバッグごと引っ張ってしまい、雪山さんのバッグを破損してしまった。さらにうまく回収出来ず、結局雪山さんが回収のために登った。
全く意味の無いどころか、手間を増やしてバッグまで壊したフリーソロでした。ごめんなさい。
その後は本日のメイン、hidden valley campgroundの入り口にあって一際高いintersection rock。
斜めにズバッと2本のクラックが走っていて非常にcool。片方は40mぐらいあるけど11aです。
雪山さんが二度のトライで見事RP。一回目のトライ後に日向でオブザベしてるのかと思ったら寝てたのは目の錯覚だったんですね。
僕は隣の10bにトライしていたけれど、下部が解決できず。2回トライしたけど、どっちも嫌な感じのフォール。上手なビレイに感謝。
その後、やっぱりロープの回収に手間取った。今日はロープが引っ張れなくなって困る日。
別のルートにトライしがてら回収に向かったんだけど、そのトライで10bをOS。ワイドクラックは全身使うのが面白いけど、わからない人が見たら苦労の10分の1も伝わらないんだろうな。
ジョシュアツリーでのグレードを更新したので乾杯。
明日からは10aぐらいのルートをいっぱい登ってグレード更新を目指そうと思う。
そうそう、venomは凄く良い。もう一足買って帰ろうかな。
8
凄く眠りが深くて朝まで一度しか起きなかった上に、8時ぐらいまで寝てた。お酒のせいかな。
日課をこなしてご飯を食べて出発。
今日は僕の希望でlost horseエリア。10台の課題が多いのです。
hemingway parkingに着くと、目の前にhemingway battressが見える。でかい。
人が多かったからすぐ裏にあるlost horse wallに行ったけど、ここもいっぱい。結局戻ったら少し空いてた。
すぐ裏、とはいうものの実は結構歩いたり岩を越えたりしてるから時間がかかる。
思っていた以上にでかくて、40メートルオーバーのルートがほとんど。仕方がないので基本トップ&フォロー。終了点も自作した。
慣れてきたといっても、やっぱり一本目は凄く怖い。5.7のルートだったけどかなり時間がかかった。
ロープを抜く時に体にぶつかる事は良くあるけれど、一本目の時に雪山さんの急所にロープの先端がヒットしたらしく、動きがぎこちないと言っていた。二階から目薬っていう諺があるけれど、40メートル上からのロープには適用外みたいだ。
取り付きが日陰になると、それまで4ptぐらいいたのに、あっという間に僕らだけになった。
ずっと気になってたんだけど、ルート名にやたらとpoodleってついている。雪山さんがハンドクラックの俗称だとか何かに書いてあったような、と言っていた。開拓者に物凄くプードル好きな人がいたわけじゃないらしい。
5.10aはOS出来て、安定してた、と言われたけれど、5.10bはコテンパンだった。一部ムーブの解決出来なかったし。11は遠い。
雪山さんがトライした5.11bをフォローで登ったけれど、全然ダメだった。
驚く事に、hemingway parkingの北東側(hemingway buttressの反対)は私有地だそうだ。凄く羨ましいけど、通勤が大変そう。電波も入らないし。郵便物は届くのかな。
金曜日になったので、キャンプ場にテンション高めの人達が沢山いる。
僕は曜日の事もわからないほど壁に登る事だけ考えてるけど、世の中は普通に回っている。
9
前日さっさと寝たおかげで6時にすっきり目覚めた。起きたら見知らぬ車が停まっていて、見知らぬテントが立っていたから少し困ったけれど、どうしようもないからいつも通り辺りをふらふら歩き回ってからストレッチして朝食。
朝食を食べる頃には見知らぬテントから見知らぬ人が出現していて、「夜うるさくなかった?」なんて気を使ってきたから、こういう事もあるんだなー、と思っていたらパークレンジャーが見回りにくる前に慌てて撤収していった。やっぱ駄目な使い方か。
意外と周りの人達も早起きで、半分ぐらいは既に朝食の用意をしていた。
テントサイトを利用するためには、日数分の料金を入り口にあるポストに専用の封筒に入れて投函しておいて、その領収書部分をサイトの柱に付けておく。結構ざっくりしてる。
今日はhidden valley campground のすぐ横のreal hidden valleyに行った。車で5分もかからないし、駐車場からのアプローチもすぐだ。
観光地としても結構メジャーみたいで、trailが少し整備されていて、登らない人も沢山来ていた。
中には日本人なんかもいて、子供の写真を撮る時に「ほら、顎を引きなさい!」なんて言っていた。
僕らはthe sentinelというどでかい岩目当てで行ったのだけど、あまりにでかくてマルチピッチだらけだったので、すぐ側の小さな岩でアップ。
そこではクライミングスクールが行われていて、7人ぐらいの若者を3人の先生が教えていた。そのうちの1人の女の子はボルダーマットに座り込んでずっと絵を書いていたけれど、なんでクライミングスクールに参加したんだろう。自然教室的な活動なのかな。
ここでは5.10aをOSしたけど、ずいぶん簡単に感じた。短いせいもあるだろうけど、ようやく慣れて来たのかな。
アップを終えてthe sentinelの西側、五つ星の5.10bのクラックにトライ。ズバッと斜めに走るクラックのルートで、1ピッチ。
まずは雪山さんが危なげなくOS。40メートルオーバーだったので、ロープを継ぎ足してlower down。
次に僕がなんとかFL。持って行ったカムはエイリアン(緑、黄、赤)、キャメロット(緑、赤2、黄2、青)だったけど、前半で使いすぎてしまって、後半はスーパーランナウトの恐怖核心だった。特に最後のオーバーハング乗っ越し。足より下のカムであんなムーブはあまりしたくないから、カムの使いすぎに注意。
この後5.10cのカッコいいクラックにトライしたんだけど、力付きてしまっていて下部で敗退。
毎回後半にやる5.10cが登れてないので、次はスタミナがある前半で挑戦しようと思う。
この後は雪山さんの提案で肉を食いにパーク外へ。気を使ってもらったみたいで感謝。
joshua tree側のパークの入り口にある山道具屋の向かいのステーキハウス(?)に向かった。
店内は薄暗くてダーツとビリヤード台があって、洋梨体系のアメリカ人が闊歩するこれぞアメリカって感じの場所で、メニューは揚げ物とハンバーガーだった。
雪山さんはアグレッシブに肉をダブルにしてた。
僕はBBQベーコンバーガー&フィッシュアンドチップス。バーガーがめちゃウマ。これを毎日はやばいね。僕アメリカに生まれてたらクライミング出来ない体になってた気がする。
ちなみに、僕の献立はほぼ固定で
朝
バナナ
ハムチーズレタスサンド
ゆで卵
昼(携行食)
ブルーベリージャム&ピーナッツクリームサンド
バナナ
夜
スパゲッティwithトマトソース
ゆで卵
飲み物は水とオレンジジュースで時々チョコレートとシナモンロール。
茹でる以外の調理は出来ません。茹でる炒めるは調理じゃないって昔誰かに言われた気がする。
今日の課題。細かいフェースの足場を拾わない分他に負担がかかっているので、キチンとフェースの足場を使うこと。ヒールフックが引っ掛けるだけになってるので、グッと体重を乗せて手の負担を減らせるように。
手の甲が傷だらけで流血しまくってるのはジャムが上達する以外どうしようもない。
10
寝る前に降りだしていた雨はやんでいたものの、極寒。重苦しい灰色の雲が空を覆っていて太陽が全く見えない。
不思議と岩はそれほど湿っておらず、花崗岩のフリクションがちょっと恨めしい。びしょ濡れなら登らなくて済むのに、ってちょっと思った。
雪山さんもモチベーションが上がらない、と言っていたのでさっさとキャンプ場まわりで登ってあがることにした。今にも雨が降りそうだったし。
そうと決まればサクサク行こうという事で、the blobという岩の5.7のクラックでアップ。
僕たちのテントの真横にあるのに一度も触ってなかった。近すぎて逆にちょっと、という感じ?
登り終える頃には雨が降り出したので残念ながら本日のクライミングは終了。登り始めたら体があったまって、気温は全然気にならないんだから単純だ。でも、寒いといつもよりジャムが痛くて困る。
明日はレスト日でラスベガスに行くつもりだったけど、時間が増えたから予定を変更してグランドキャニオンを見に行くことにした。
ジョシュアツリーから東のフェニックスに向かい、そこから北上するコース。
向かい始めてから雪山さんが得た情報によると、フェニックスかラスベガスからグランドキャニオンに車で向かうと約5時間。一般的にはどちらの都市からも出ている飛行機を利用するらしい。そしたら1時間ぐらいで行けるんだって。
ちょっと失敗した感があるけど、アメリカのでかさを実感出来たから僕は結構楽しかった。
hidden valley campgroundから外に出るためにジョシュアツリー国立公園の南東のエリアを初めて通過した。岩が全然無くて、生えている植物も違った種類だった。
ジョシュアツリーからフェニックスに向かう途中は延々と荒野が広がっていた。
アリゾナ州に入ったら荒野の中に典型的な形のサボテンが生え始める。サボテンダーみたいなやつ。
雨雲を抜きつ抜かれつしながら進んでたら、晴れと雨の境目で何度も虹が見えた。
フェニックスからグランドキャニオンへ北上すると、サボテンが点々と生える野原から、雪に覆われた針葉樹林にまわりの景色が変化した。
そこからさらに北上しているはずなのに、グランドキャニオンに向かう道は雪が全然なかった。
アメリカはでっかい。
道中物凄く激しい雨に何度か遭遇していて、アメリカは雨の激しさもアメリカ級だな!って思ってたらニュースで何度も取り上げるぐらい結構激しいストームが来ているそうな。明日までは降ってていいけど、火曜日にはやんでね。
今泊まっているモーテルもストームの影響でwi-fiが使えないらしい。しかも3Gも繋がらないので、全く通信が出来ない。キャンプ場と変わらないのでレストの意味が半減だ。
ご飯はチキングリルを食べた。すごく美味しかった。どっかに体重計ないかな。
*レスト日の最後にマックに入ったらWi-Fiが無料だったので更新