百と八つの流れ星を登りました。
昨年に引き続き、国体会場でナンパしてお近づきになったAbeさんに仲間に入れていただいて高知の室戸岬の辺りにある「百と八つの流れ星」を登りに行ってきました。(昨年の記事はコチラ)
突然だったのに一緒に登らせてもらったAbeさん、コスモさん、まーさん、徳島大学ボルダリング部の皆さん、ありがとうございました!
2011年9月に発売されたRock&Snow53号の表紙に掲載されて以来ずーーーっと気になっていた「百と八つの流れ星」。岩の見た目の素晴らしさはもちろんですが、課題の名前も恰好良く、さらにハイボール、僕のツボにドンピシャだったんですが、遠く高知のボルダーということでなかなか行く機会は無いだろうな・・・と諦めていました。
が、今年abeさんに連絡を取ったら「百と八つの流れ星」登りに行く予定です、とのこと。なんたる幸運!というわけで百と八つの流れ星を登りに行ってきました!
目当ての岩がある海岸には他に大きな岩は全く無く、どーんとそそり立つ巨大な岩は「百と八つの流れ星」がある岩のみ!
近づいてみるとそのデカさに圧倒されます。
abeさん、マーさんはなんとノーマットで完登。痺れる登りでした。
追従したかったのですが、残念ながら僕は心の準備が全く出来ておらず、どうしても1手すすめる事ができずマット有りに切り替え。その数トライ後に落ち方をミスって背中からマットに叩きつけられ、マットのありがたさが身にしみました。危なかったー。
つい岩場で核心を越えて最後のパート!となるとガンバコールを送ってしまいがちです。その声援に押されて完登出来る事ももちろんありますが、無理してしまい、自分の力量でコントロール出来るゾーンを安易に超えてしまう事にも繋がります。岩は逃げません(もちろんホールドが欠けてしまったり下地が変化したりはあるけれど)、一度そこまで行く事が出来たなら必ずもう一度たどり着くことが出来ます。そしてその時はもっと心にゆとりがある事でしょう。
自分の心・力量ときちんと向き合って、準備出来るまでは我慢する。それもクライミング・ボルダリングを楽しむポイントだと思います。
閑話休題。
その後のトライで無事に完登。
黒潮ボルダー「百と八つの流れ星(グレード無し)」
とても素晴らしい課題でした。グレードに関して言及するのは野暮というものでしょう。この課題はungradedとして在り続けるのが良いのだと思いますし、そんな所にも心くすぐられます。この岩を見つけ、ラインを見出し、初登した方に感謝。
その後は課題名もグレードも不明という右抜けのラインのセッションに。
そういうの大好きです。登りたいラインをただ登る。ここ登ってみたい!と思った所をそう思った時に登れるために自分の能力を最大限高めたい、というのが僕がクライミングをしているとても大きな理由の一つです。
abeさん、マーさんと3人でセッションして徐々に高度を上げていき、早々にabeさんが完登。続いてマーさんが完登。2人とも気合が入った素晴らしいトライ。その流れに乗って僕も完登!と行きたかったんですが、なかなか核心の1手が止まらないままに過ぎる時間。
満潮になってしまうとスタート地点が波をかぶってしまうため登れないのですが、そのタイムリミットが迫る中で最終トライと決めた最後の1回でなんとか僕も完登。2人とはちょっと違うムーブになりました。
黒潮ボルダー
黒潮ボルダー「課題名不明 グレード不明」(百と八つの流れ星の右側のライン)
本当はそのまま上のヘッドウォールを登って頂点まで行きたかったのですが、心の準備が出来て無さすぎました。まだまだですね。
一応裏からまわってトップの眺めは楽しんでおきました(笑)
こちらも百と八つの流れ星と同様に非常に高さがあるという事、ホールドが脆いという事、しつこいようですがくれぐれも気をつけてトライしてください。
今回はどちらの課題も完全にセッションパワーに助けられての完登でした。
完登した事がある人がいると知っているかどうかでそもそも完登の難易度は大きく変わります。(初登というのは本当に大変な事です)
さらに直前に完登した人がいるとわかるとさらに心理的なハードルが下がります。
その完登を目の前で見ていたら益々有利です。
ただ完登しただけでは飽き足らず、もっともっと自分の心が気持ち良い完登がしたい。
未知の領域であるうちに完登したかった。
欲張りだなーと思いますが、自分が満足出来るような登りをするためにはまだまだ力が足りない。
もっともっと強いクライマーになりたい。精進します。