出来る、って思える瞬間
今まで全く登れないと思っていたルート(ツナミのオレンジ12d)を突然登れるかもしれないって思えた。
その感触が凄く不思議だったので上手く言葉に出来ないかもしれないけど書いておく。
この前突然ツナミのオレンジ×?(12d)が登れるんじゃないかって思えた。(僕のジムでの最高グレードは12c)
タワーか奥壁で登ろうとしたらどちらも混んでいて、ツナミは空いてるんだよなー、って思って目を向けたら本当に突然、「あれ、この課題登れるんじゃない?」って思った。
このルートは随分前に一度トライして下部から僕にとってかなりハード(肉体的にもメンタル的にも)な感じで最大傾斜すら抜けることが出来ずに敗退したルート。その後さらにもう1本の紺の12dにもトライして、こっちはさらにひどい感じで各駅停車、1ムーブ出すのが精一杯、みたいな状態でど敗退。12dの壁ってなんて高いんだろうか、と心が折れていた。
登れるんじゃない?って思って改めてオブザべしてみると、確かに登れそうだ。
昔の記憶が昔過ぎてなんかすごく苦労したなーっていう思い出しかなくて、どこが悪いとかっていう印象も持っていなかったおかげでまっさらな気持ちでオブザべすることが出来た。
既に1回登ってるからOSもFLもないし、前回はめちゃ敗退しているのであまり気負わず、分割してトライすることにした。約40手を15手ずつだと思うと急に気が楽になる。それに、分割してのトライだとフォールしてもいいんだ、って思えて気楽。
いざトライしてみると苦労した記憶が蘇ってきたけれど、なんか別にどのムーブもそれほど苦労せずに起こすことが出来る。あれあれ?って思っているうちに最大傾斜直前の核心っぽいクロスもこなして最終面に到達することが出来た。(もちろん途中テンション入れながら)
今まで全く出来ないと思っていた事が突然「出来る」って確信が持てた。そして実際にやってみてその確信をより強固なものとすることが出来た。凄く不思議な感触で何故そう思えたのかはよくわからない。
この時に改めて思ったことは
僕が思う多くの「出来る」はただの願望だということ。出来たらいいなー、ってことを「出来る!」「やれる!」って言葉にして自分を奮い立たせてる。
でもこの時の「出来る」は願望ではなくて事実だった(まだ完登してないから事実に出来てないけど)ということ。
無理に自分を奮い立たせることも大事だと思うけれど、きちんと自分と向きあって気持ちと自分の体が1つになっているような状態でいつでもクライミングをしたいし新たなルートに向かいたいな。自分を磨いて、自分の状態に敏感になっていればきっとまたこの感覚が訪れる時がくると思う。