2015紀の国わかやま国体 メモ

紀の国わかやま国体 結果についての考察

2016/07/01

前の記事(紀の国わかやま国体 山岳競技に出場してきました。)で書いたとおり、国体のリザルトは
ボルダリング 成年男子 東京都 32位 個人61位(相方は45位)
リード 成年男子 東京都 12位 個人41位(相方は1位タイ)
というわけでボルダリングは二人共イマイチ、リードは僕の順位が上がれば決勝に進むことが出来ました。見ての通りチーム順位より個人順位の方が両方とも低いのが現状です。

来年も国体に出場するために、また来年の岩手国体では決勝の舞台に立ち、少しでもパフォーマンスを発揮するために今年の振り返りをしていきたいと思います。

最終日に行われた表彰式で各クラス・競技のグレードの発表があり、以下の通りでした。
リードのルートに関して
成年男子 予選 5.13b 決勝 5.13c/d
成年女子 予選 5.12d 決勝 5.13a
少年男子 予選 5.13a 決勝 5.13c
少年女子 聞き損ねた。分かる人おしえてください

ボルダーのルートに関して
成年男子 予選 1級から2段 決勝 1級/初段から2段
成年女子 予選 3/4級から1級 決勝 1/2級から1級
少年男子 予選 2級から初段 決勝 1級から初段
少年女子 予選 5級から2級 決勝 3級から2級

各カテゴリのトップの選手が全課題を完登していたり、全部1撃で完登していたりするのもこうしてグレードになってみると納得ですね。

まずはリードについて

決勝に進出出来るチームは全部で8県
今回のリザルトを到達点ごとの人数にまとめてみると以下のようになります(目で追ったのでずれてたらすみません)
結果はわかやま国体ページからリンクのあった記録速報PDFを参考にしています。(こちらには個人順位が載っていて考察しやすいため)

TOP 17名 1位
35 1名 18位
34+ 1名 19位
33+ 3名 20位
32 1名 23位
31+ 3名 24位
30 1名 10 27位
29+ 1名 28位
29 3名 29位
28.5+ 1名 32位
28.5 1名 33位
27+ 1名 34位
27 6人 35位
26+ 15名 41位
26 8名 56位
25+ 1名 65位
24+ 2名 66位
24 3名 68位
22+ 1名 71位
22 1名 72位
21+ 2名 73位
20+ 1名 75
19+ 1名 76位
19 4名 77位
18+ 2名 81位
18 1名 83位
17+ 5名 84位
16+ 2名 89位
16 2名 91位
14+ 1名 93位
13 1名 94位

最も大きな集団が完登組で17名。コンペといういつもより緊張を強いられる環境で17名もの選手が5.13bをOS、3名落ちている33+を最終核心と
するならばそこも超えてゴール目前だった選手が2名。19名の選手がゴールを手中、もしくは眼前まで迫ったわけですね。

次に大きな集団が26+の41位で15名、ここに僕も含まれています。前後の27手目を保持したものの動き出せずフォールした選手6名、26手目を保持したものの有効なムーブを出せずにフォールした選手8名を加えると合計29名、最大の核心部分といって良いでしょう。見事に人の波に飲まれてますね。リザルトの事を考えると26手目から1手有効な動きをしたかどうかで順位が41位と56位、15位もかわりますから非常に重要な1手でした。

決勝に進出した8県のうち、2人とも完登したのは栃木県、山口県、茨城県、北海道の4県。その後1人完登の県が続きます。
千葉県の34+で5位、岡山県が33+で6位、佐賀県が32で7位、長崎県が30で8位。

今回決勝に進出するには1人が完登、そしてパートナーは30手以上登る必要があったわけです。つまり、東京チームが決勝に進出するためには僕があと4手保持する必要がありました。

一概にそう言えるものではないと思いますが自分が次回どれだけの実力を付ける必要があるのか考えるにあたってグレードを考えてみたいと思います。まぁ、課題のグレードが5.13bなので「5.13bをOS出来る実力が必要だ」という話で、実際そこを目指すんですけどもそれだと話が終わっちゃうのでもう少し考えてみようかなと。

課題のグレードを設定するにあたって極端に難しい核心があってそこの1手にグレードが付けられている、という場合もありますが、コンペで用意される課題はそうしたタイプではなく段階的にグレードが上がっていくようなタイプだと考えられますし、実際結果を見てもそのような結果となっています。

複数人の選手がフォールしているポイントを核心部だと想定し、その核心を越える毎に課題のグレードが変わる、例えば32手目が保持出来ている場合は5.13a、30手目が保持出来ている場合は5.12d、とすると以下のようになります。

完登 5.13b
第4核心 33手目から34手目を保持した ニアリーイコール完登 5.13b
第3核心 31手目から32手目を保持した 5.13a
第2核心 29手目から30手目を保持した 5.12d
第1核心 26手目から27手目を保持した 5.12c

26手目から27手目で多くの選手が落ちているので第1核心の手前までとその上で大きくグレードが変化する可能性もありますがとりあえずこんな感じですかね。

結局何が言いたいかというとあらゆるタイプの5.13bがOS出来る能力、それが今回の国体のリード予選を完登するために必要な能力ですね、っていう事なんですが!(笑)こうやってゴニョゴニョ考える事がきっと次に進むために必要です。だって、「よーし5.13bOSする力手に入れるぞー!」って口に出しても「よーしもっとつよくなるぞー」っていうぐらい何していいかわからないもの!

さらに言うと決勝のルートを完登するためには5.13c/dをOSする能力が必要になります。予選突破だけを目標というのは寂しいので決勝でも好成績を残す、欲を言えば優勝する事を最も大きな目標としてまずは来年4月に行われるだろう東京都の選手選考大会、6月のリード・ジャパンカップを目指します。

ボルダリングについて
続いてボルダリングについて考えてみます。

僕のリザルトは
完登 0/-
B2 1 / 3At.
B1 1 / 2At.
(*At.はattemptの略。attempt - 直訳では試みるという意味ですが、この場合はトライした回数のこと)
というものでした。はっきりいって何も出来てないと言っても過言ではない。

改めて成年男子の課題の予選グレードを見てみると
予選 1級から2段

課題の完登数を見てみると
1課題目完登 15名
2課題目完登 29名
3課題目完登 4名
4課題目完登 34名

というわけで2課題目と4課題目は多くの選手が登れている課題でした。

予選突破している県は
広島県、大分県、栃木県、千葉県、埼玉県、和歌山県、山口県、佐賀県

1位の広島県の成績が6完登8アテンプト
8位の佐賀県の成績が5完登14アテンプト
(成績は2人の選手の合計数です)

惜しくも9位の三重県は4完登7アテンプトです。

各県の選手の完登数の内訳は
広島県 3/5At. 3/3At.
大分県 3/5At. 3/4At.
栃木県 2/7At. 4/4At.
千葉県 2/2At. 3/4At.
埼玉県 3/6At. 2/3At.
和歌山県 4/7At. 1/3At.
山口県 3/7At. 2/5At.
佐賀県 3/8At. 2/6At.

それぞれ3完登、片方が4完登と色々なチームがありますね。

国体でのボルダリングは通常のコンペと異なり「1チーム2名が6分間の間に2課題を登る」という方式です。
6分登ったら6分休憩、6分登るというベルトコンベア方式でのコンペですので時間いっぱいになったら登っている途中でも終了です。

個人の実力はもちろんですが、チームとしての戦略がかなり大切で各県色々な戦略を取っている様子でした。
・それぞれ別々の課題に取り付いて片方が完登した時点でその課題のコツを相方に教えて課題をチェンジするタイプ
・同時に同じ課題に集中攻撃してまずは1課題攻略することを優先するタイプ
・自分は登れなくても優し目の課題のコツがわかった段階でチェンジして登れそうな方の完登を優先するタイプ
などなど。

どのチームにも言える事が片方が1つでも完登すると劇的に楽になるということ。完登した方は残りの時間を全て1つの課題に費やせますし、完登していない方は登り方を聞くことが出来るので探り探り登っている状態からは遥かに登りやすい状態になります。(誰かとセッションしていて誰か1人が完登したらあれよあれよとみんな完登した、なんて経験ありますよね)

今回の反省点の一つがチームとしての戦略の無さ。国体の形式で登ったことが無いので仕方がない部分ではあるのですが、2人で6分間、というのがどういう感じなのかいまいち想像出来てませんでした。事前に同じ形式でやってみて時間間隔とかはわかっていたつもりだったのですが、そこは最低限の部分の話で効率的に2人が登るためにはどうしたらよいのか、というその上に乗せる戦略の部分が全く出来ておらず、僕に関しては優し目課題だったはずの2課題目と4課題目にほとんどトライしていないという結果に。

前半戦 1,2課題目は1課題目はB2までは取れるもののゴールするのが非常に難しいというタイプの課題でした。B2が取れた時点でこちらは放置、2課題目に集中するべきでしたが和音がトライ中だったので遠慮して僕は1課題目に何度もトライしてしまった。ちなみに2課題目はわりとシンプルなどっかん系の課題でやりこめば完登出来た可能性も高いです。

後半戦 3,4課題目は3課題目がスタートからかなり難しく、B1を取ったとしてもB2はほとんどの選手が取れていないという課題でした。なので3課題目ははなから放っておいて4課題目に集中するべきでした。4課題目はスタート直後のムーブが解読出来るかどうかが攻略の鍵で僕達はこのムーブを思いつくことが出来ず手数が進みませんでしたが、2人で集中して4課題目に取り組んだら色々他の方法を試した可能性もあると思います。

もちろん初段から2段であればどのようなタイプの課題でも一撃出来るような実力を付ける、というのが最高の解決策ですが、実力的に劣る状況で、さらに戦略もなっていないとなれば負けるのは必定。今後のために活かしたいと思います。

最後に
こうして数字で見てみるとリード、ボルダーともに決勝に進出出来る可能性あるんじゃないかな?と思えてしまう楽観主義の自分。決勝に行った人達は会場で見ていると本当に遥か彼方の存在のように思えますが、実は苦戦していたりもしますね。全完一撃なんていう本当に足元すら見えない人も居ますが、そんな人が2人揃っている県は無かった、というのが今回の国体だったのかなーと思います。

来年は雲の向こうが2人いる県が8県以上ある!なんて可能性ももちろんあるわけですし、今年出場した選手が猛烈に成長してエライことになる可能性もあるわけですが、そのエライことになる選手の1人が僕だっていいよね!

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