2013 boulder competition

ボルダリングジャパンカップ 2013 東京大会

2月23-24日で開催されたボルダリングジャパンカップ(以下BJC)に参加してきました。
昨年は長崎での開催だったためかなりの遠出かつ初九州上陸と半ば旅行気分だったのですが、今年はなんと駒沢オリンピック公園にある屋内球技場での開催となり、これまでに参加したコンペの中で最も家から近い距離での会場でリラックスして参加してきました。

参加人数も男子99名女子49名と過去最高で、実績が全く無い自分としては参加できなくなるかも!?と心配しましたが、全員参加の決断をしてくださったお陰で去年に引き続き参加することができました。運営上、ポスターに既に書いてしまった日程の変更など人数が増えることで様々な苦労があったかと思います、ありがとうございます。

手を上げれば日本最強を決めるコンペにポンと参加できてしまうことはまだまだマイナーな競技だよな、と悲しい部分でもありますが、参加出来るうちに成長して絞りこまれても参加出来るようになりたいと思います。

各カテゴリリザルトは下部に写真をアップしました。
公式リザルトはこちら(PDFファイルです)

事前の印象と予選開始前

今回は男女ともに参加者をAとB二つのグループに分けて予選が行われました。僕はBグループ。振り分けのメンツから「死のBグループ」なんて言われていたほど強豪揃いのグループでしたが、ボルダーでの準決勝進出は今の僕にとってまだまだ目標には出来ず、目の前の課題を登り、少しでもリザルトを良くするだけ、と思っていたので特にメンツがどうだから、という緊張はありませんでした。直接対決するタイプの競技と違い目の前の課題を登れるかどうかが全てなので周りの選手が強くても弱くてもほんとは自分には関係ないですよね。

グループはそんな感じでしたが、予選出場順が10番手だったのは非常に嬉しかったです。というのもBJC予選はベルトコンベアという方式(*1 これは最後に説明書きます)で行われるため競技開始前に全ての選手はアイソレーションルームに隔離され、通信機器を持ち込むことは禁じられます(今回は預けませんでしたが使用は禁止)。つまり、順番が遅いと待ち時間が長くて大変な上に、競技を見ることも出来ないためほかの強い選手の登りを見て盛り上がることも出来ずとなんとも寂しい感じに。昨年はほぼ最後だったのでせっかく長崎まで行ったのについてすぐに隔離されて予選も見られず時間の都合で翌日の準決勝決勝も見られず、とただ自分が登るだけだったのでとても悲しかった。参加した意義が半減しちゃいますよね。

というわけで今年はアイソレーション滞在時間はほとんどなく、アップをして少し休んですぐ予選開始と上々のスタートでした。

予選の各課題に関して

1課題目 垂壁のバランシーな課題
ウェルカム課題という感じで明らかに登りやすそう。逆にこれが一撃出来ないと一気に追い込まれる。ゴール前で足が一度来れるも冷静に対処。ゴール取りでダイナミックかスタティックか悩むも明らかに保持出来ないタイプなので色々試したらボテに体を預ける事が出来てスタティックに両手保持。一撃。

2課題目 三角飛び
スタートが直接届かない位置に設置されていて、足場のホールドを蹴って掴んでからスタートする課題。ゴールもハリボテを保持するタイプで悪そう。ただ、このタイプの課題はすごく好きなのと、この前のルートセッター講習でハリボテを触りまくったのでワクワクしながらトライ。スタートを止めるまでになかなか上手く調整出来ず5トライ目にようやくスタートを保持。そのままボーナスを止めてゴールに向かうも予想通り悪く、あれやこれやと1分ぐらい粘るも結局無理でフォール。ただ、最後に試した方法に手応えがあったので再度挑戦し7トライ目でゴール保持。片手でゴールを持ってからマッチするまでがかなり緊張しました。
何故か見た瞬間から「登れる!」という確信があって、普通スタートを止められずに何度もトライしたら気持ちが滅入りそうなものですが、トライ回数が増える事は全く気にならず、ゴールギリギリで落ちたのも全く気にならず、最後まで登れる確信を持ったままトライ出来て完登した課題。そのメンタルがあったから登れたように思います。
この時点で目標だった2完登を達成しますますテンションが上がって気持ちが軽く次へ。

3課題目 ボテボテバランシーな課題
ルーフの一番奥からスタートしてワールドカップ、日本選手権でも使われた黄色と青の四角いボテをなんとかしてから垂壁に出て来て薄いホールドを処理してゴールへ。
ここまで真っ向勝負の掴んでドッカン系なし!これは落とさなきゃならん!というのとどーすんだこれめっちゃ楽しそう!ということで勇んでトライ。少し触ってニーバーを使うことはわかったものの、抜け口の処理がわからず。3度目のトライでコツをつかみボーナスまであと一歩と迫るもフォール。そのまま時間切れ。残念。

4課題目 悪いの保持してドッカン系
甘いスタートホールドにボテのみの足でスタート。アンダーとカンテで体をあげてボーナス保持、再度カンテ、見るからに悪いスローパー、ボテときてこれまためちゃくちゃ悪そうなゴール。
せめてボーナスだけでも、とトライするもスタートもままならない。そんなバカな、と靴を確認したらギリギリ耐えてくれてたteam 5.10がご臨終。あわててシャーマンに履き替えたらスタートはできるようになりました(笑)とはいえ1手目から進めずタイムアップ。

5課題目 シンプルな薄かぶり課題。
どう見ても登らなきゃいけない課題。これ登れそうだなー、と思ってたらなんと隣の別グループも全く同じ課題。なんとなーく横目でムーブを見つつ自分のオブザベが間違ってないことを確認してからトライ。
が、1手目が止まりません。なんかいまいち距離が足りなくて止まらない。時間が減ってからようやく焦りが出てきて気合を入れ直して全力でスタート!止まった!ものの次に進めずフォール。時間がないのですぐにトライ。気合で1手目を保持。腰の向きを変えたらあっさり足が上がってボーナスを保持!これはいける!と焦りが出たのか次の1手を保持しかけるもフォール。8トライでボーナス。
なんかリラックスしすぎて気合いが抜けてたみたいです…。

予選結果、考察

結局2完登3ボーナスで予選終了でした。

3課題目、5課題目は登ることが出来る課題だったと思います。特に5課題目はきちんと実力を発揮すれば5分以内に完登が出来た課題だと思えるだけに悔しいです。
ただ、2課題目は明らかに数ヶ月前の自分には完登出来なかった課題だと思います。これは大きな成長。あと、この課題のボーナス取り(スタートが止まればボーナスは楽勝なのでつまりスタートの保持)が僕は5アテンプトなんですが、なんと安間君が6アテンプト。僕と安間君の実力差を考えたら何か1つでもクライミングに関することで彼の成績を上回る事ができたっていうのは凄い事じゃない!?(笑

全体としてはコンペの課題に集中してトライする、という事が実践出来たのではないかと思います。
伊東スクールでこのところずっとプチコンペ的な練習をしていたのが効いてるなー。コンペに出るような課題を何個も作ってもらって、競う相手までいて、それに日々トライすることが出来るっていうのは何よりのコンペ練習ですよね。
また、直前でしたがルートセッター講習に参加出来たことがとても大きかった。コンペの課題がどのように作られているのか、セッターがどうして欲しいと考えているのか、いままで漠然としていた部分がはっきり言葉で聞けて頭に入ったことの効果は予想以上に大きかったです。大人のコンペティターは講習に出るよりもセッター講習に出たほうが効果高いんじゃないかな。

悪かった部分はやはりフィジカル。いくら苦手とはいえ真っ向勝負の4課題目のスタートすらおぼつかないというのはあまりにお粗末。その部分は周りの選手に対して大人と子供ほどに差がある部分だと思うのと、一朝一夕には身につかない部分だと思うので日々鍛錬するしかないですね。

色々なコンペに出るたびに何らかの学びがありますが、今回は特に多くを学ぶことが出来たコンペでした。

準決勝、決勝観戦

翌日曜日は準決勝と決勝の観戦をしました。ちょっとPCがクラッシュしてしまった関係で午前中が潰れてしまい、準決勝はほとんど見ることができませんでしたが、決勝はばっちり全部見ることができました。

全て本当に素晴らしいコンペだったのですが、特に男子が最終課題を全員が登るまで優勝が誰になるかわからない、というのが何よりも最高の展開だったのではないでしょうか。登る全ての選手が輝いていて、あの場にいたい、感動させる側になりたい、と強く感じた1日でした。(と言ったら彼女に「私はヒロの登りで感動したよ!」といってもらえたのは嬉しかったです)

女子はなんといってもBJC初開催以来7連続の連覇を成し遂げ、さらに今年も圧倒的な実力で全ての課題をねじ伏せて優勝した野口さん。男子の大会に出ても決勝出られるんじゃないか!?と思うような登りに感動しました。

以下撮影した動画の再生リストです。

ボルダリングジャパンカップ2013 男子予選Bグループ 僕の動画

ボルダリングジャパンカップ2013 女子予選(野口啓代、小田桃花、大沢咲子ほか)

ボルダリングジャパンカップ2013 男子予選(安間佐千、堀創ほか)

ボルダリングジャパンカップ2013 女子準決勝(野口啓代、小田桃花、田嶋あいかほか)

ボルダリングジャパンカップ2013 男子準決勝(安間佐千、堀創ほか)

ボルダリングジャパンカップ2013 女子決勝(野口啓代)

ボルダリングジャパンカップ2013 男子決勝(安間佐千)

公の大会の動画なんだから公開しても問題ないよね?という判断なんですが、もし問題あったら教えてください。削除します。また、公開しないで!という場合も同様に連絡ください。すみません。

予選男子Aグループリザルト

予選男子Bグループリザルト

予選女子Aグループリザルト(めちゃ見難くてすみません・・・)

予選女子Bグループリザルト

決勝男子リザルト

決勝女子リザルト

*1 ベルトコンベア方式 : 制限時間内に各課題の完登を目指し、トライ時間、休憩時間が厳密に決められている方式。(もちろんトライ時間を登らず休憩時間にあてることは出来る)課題1が5分、休憩5分、課題2を5分、休憩5分、といった流れで行われ、選手Aが課題1が終わったら選手Bの課題1トライがスタートする。この間他の選手の登りを見ることは出来ない。また、事前に課題を見ることも出来ない。

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