2016 加須 competition ボルダリングジャパンカップ まとめ
全体の感想と予選の考察 - ボルダリング・ジャパンカップ2016
自分の登りについては「69位で予選敗退 – ボルダリングジャパンカップ2016」を参照してください。
予選には選手として出場、準決勝・決勝は観客として観戦してましたが、非常に盛り上がりましたねー!男子は未だかつて2度優勝した選手は居ないというジンクスが覆るのかどうか、女子は野口啓代が再び王座を奪還するのか!
結果は男子はジンクスが守られ藤井快選手が初優勝!女子は野口啓代選手が優勝して10度目の栄冠に輝きました。これまで男子決勝は最終課題までもつれるものの、女子は野口選手が圧倒的な力で早々に優勝を決める、という大会が多かったように思いますが、今年は女子も最後の最後まで目が離せない、誰が優勝してもおかしくない戦いでした。
決勝1課題目で誰よりも苦しんだ啓代ちゃんが2課題目一撃、そして3課題目の完登を決めた瞬間はちょっと涙でちゃうぐらい感激してしまいました。
音の無い決勝については賛否両論あると思いますが、会場の一体感、観客が選手を見つめる集中力はこれまでにないものがあったと思います。その分選手はプレッシャーがものすごかくて観客席とか向きにくかったと思いますが、そんな中でも観客の方を向いて場を煽れる啓代ちゃんは流石の貫禄ですね。
ただ、音楽が無いならないで一言欲しかったな、というのが正直な所。最初機材故障してるのかと思っちゃいました。選手が出てきているのに気が付かなかったり。
やはり観戦する環境としては全部の壁が一望出来て途中に障害物とかが無いほうが断然良いですね。2013年の駒沢オリンピック公園での開催の時も非常に見やすくて良かったです。観客としても選手としてもこれからもこうした環境での開催があると嬉しいですねー。願わくばどこかに常設の壁を作ってもらってボルダリングの聖地として歴史を作っていって欲しいです。
まだ自分は内容を確認してないですが、ネットでも予選・準決勝・決勝と実況付きの中継が行われてそちらのクオリティも非常によかったと聞いています。残念ながらおそらく大人の事情で決勝動画は削除されてしまいましたが、予選・準決勝の映像はyoutubeで無料で視聴出来ますので当日都合が合わなかったかたはそちらを是非ご覧ください。動画のリンクはこの記事の最後にまとめておきます。
オフィシャルにはスカイAというCSのチャンネルのライブ収録が行われ伊東秀和さん、平山ユージさんが解説と非常に豪華!今後何度も放映されるようですね(スカイAの放映スケジュールはコチラ)
ネットでも色々取り上げられてるみたいです。こうして大会の結果が大なり小なりメディアに取り上げられるようになっている、クライミングに世間の注目が集まっているのを実感しますね。
野口啓代が10度目V ボルダリングジャパンカップ - 日刊スポーツ
東京五輪へ注目。美女クライマー野口啓代が、ボルダリングJCを制す - Love Sports web Sportiva
ゼロスタートが応援するプロフリークライマー野口啓代選手がボルダリングジャパンカップ2016で優勝しました - News2u.net
さてさて、非常に長ったらしくなってしまいましたが、この記事のメインの目的は予選の考察です。
以下の話は全てAグループ、Bグループの選手の実力はほぼ同等として考えています。
Aグループでは3課題目と4課題目は完登者ゼロ。セッターはさぞかし肝を冷やしたことと思います。2完登した選手の中で柴沼潤選手がアテンプト数で11位となり唯一の予選敗退。1撃する選手も多かった1課題目の3アテンプトが悔やまれます。
Bグループのリザルトは全完登から1完登までバラけていますね。ただ、1課題以上完登した人数はAグループ30名、Bグループ32名とそれほど差がありません。
1課題目
Aグループは完登した選手が30名、中でも一撃した選手が17名と登りやすかった課題であることが伺えます。
Bグループはボーナスまでたどり着いたものの完登に至らなかった選手が14名。完登した総数も18名です。
1課題目についてはAグループの課題の方が登りやすい課題だったと言えそうです。
2課題目
Aグループは完登した総数が8名、ボーナスまでたどり着いたものの完登に至らなかった選手が31名。
Bグループは完登した選手は全員一撃で14名、一方でボーナスまでたどり着いたものの完登に至らなかった選手は9名です。
Aグループの方がボーナスを取得しやすく、完登はしにくい、ボーナスからゴールまでの1手に核心がある課題。
Bグループの方はボーナスを取るまでに第1核心があり、ボーナスが取れればゴールまではそれほど難しくない課題だったようですね。
どちらが難しかったと断定しにくいですが、Bグループの方が登りやすい課題だったと言えそうです。
3課題目
Aグループは完登が0名、ボーナスのみが27名。
Bグループは完登が28名でうち16名が一撃。ボーナスのみの選手が11名。
Bグループの方が登りやすかった課題なのは明らかですね。
4課題目
Aグループは完登が0名、ボーナスのみが2名。
Bグループは完登が5名、ボーナスのみが12名。
4課題目に続いてBグループの課題の方が登りやすかったようです。
5課題目
Aグループは完登が5名、ボーナスのみが40名。
Bグループは完登が7名、ボーナスのみが37名。
ほぼ全く同じ課題だったので当然といえばそうですが、ほぼ同じ結果ですね。
ちなみにAグループでは1課題目の完登を逃した後他の課題を完登した選手は居ません。Bグループでは1課題目の完登を逃したもののその後の課題を完登した選手が複数名います。しかし、いずれのグループにも1課題目を完登せずに準決勝に進出した選手は居ませんでした。Bグループの原田海選手が1課題目の完登を逃したものの1アテンプト減らすことができれば準決勝進出だったので非常に惜しいですね。
ちなみに決勝に進出した選手はAグループ4名、Bグループ2名でした。
これらの事から何が言えるかというと1課題目から全力振り絞れるようにアイソレーションでしっかりと体を温めて、何が何でも1撃で完登しないと後で挽回するのは大変だぞって事でしょうか(笑
これらの予選の考察を踏まえて準決勝、決勝の課題についても難易度と対策を考えたら面白そうですね。そちらも時間があればやっていきたいと思います。
最終リザルトはコチラ
ネット上の動画についてはこれらはずっと残るのかな?国際的にはIFSCのワールドカップの動画がいつでもネット上で視聴出来るようになっていたり、BJCと同じ日に行われたアメリカのナショナル大会、ABSの動画も全て視聴出来たりとネットで広く視聴出来る状態を保つ事が求められている時代、お金の話があるのはもちろんですが、早く日本の大会も全てネット上に動画が残っていていつでも誰でも(そこにお金を払うのはとても良いことだと思います)見られるようになると良いですね。
男子予選
女子予選
男女準決勝