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小川山 マラ岩 ブラックホール(12c?)完登

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GWは「ヒローズアップ!クライミングクラブ特別合宿」という事で生徒さん達と岩場に行っていました。

生徒さん達の登りの合間を縫って、というか時間をもらって本気トライさせてもらったり・・・。本気の登りを見てもらってこそ学ぶものもありますよね!って事であくまでも指導の一環という事で一つよろしくお願いします(笑

さて、表題の通りマラ岩にある「ブラックホール(5.12c?)」を完登しました。グレードにハテナが付いている件については後述しますね。

ある程度人気のルートになると誰かがトライしている事を見たことがあったり、使うホールドにチョークがついていてオブザベしやすかったり、避けてはいるものの動画を目にしたことがあったり、誰かのブログで読んだ事があったりと全く事前情報無しにトライ出来る事は少ないのですが、「ブラックホール」はトポに書いてある説明文以外は全く事前情報無しでのトライでした。

もちろんボルトは事前に打ってあるし、トポにLINEも載ってるんですが、自分でホールドもムーブも、全部探りながら登るのは最高に楽しいです。

以降の文章にはムーブに関する内容が含まれます。
ブラックホールのOSを狙っている方は気をつけて下さい。

というわけでOSトライをする権利は持っているので入念にオブザベ。

そういえば先日誰かのFacebookでルートの真ん中でグランドフォールしたってその1年後に情報無しで完登したらOSだよ」という感じの投稿を見たんですが、「OSした」というのは事前になんの情報無しに自分の目で見て岩から得られる情報のみで1撃で完登した事、だと思っていたんだけど昔は違ったんでしょうか?

閑話休題

1ピン目、2ピン目辺りまで核心で、ボルト間隔が広がる3ピン目以降はそれほど難しく無いだろうと予想するも、ホールドとして使いそうなものが大小様々あってその間はムーブの検討が付かない。とはいえ地面で唸っていても始まらないので行けばなんとかなるでしょ!と半ば諦めてスタート。

予想以上に悪いホールドに阻まれて1ピン目をかける事すらままならず。何度かスタートしてホールドを探ってはクライムダウンを繰り返し、諦めてプリクリップする事に。がっくし。

プリクリップしたのでバランスが悪くて出したくなかった1手を気楽に止めていざその先へ、と思ったら2ピン目付近も悪い!クリップできずにあえなくフォール。ホールドの向きも悪いしスタンスも非常に細かくて踏みにくいし、めちゃくちゃ悪くない!?とめげそうになるものの、生徒さんが見ている前で仮にも「5.12」と書いてあるルートのムーブがわからず敗退なんて絶対に出来ないので気持ちを奮い立たせてムーブを探る。

2ピン目から3ピン目に至るムーブを何度もフォールしながら固め、突破。

それ以降は手で使ったホールドがスタンスになり、手も明確でさらに持ちやすくなり、とさほど迷わずに5ピン目をかけて終了点へ・・・向かおうと思うと5ピン目から終了点までの間に広がるのは全くボルトがない無限にも感じるスラブ。トポにはボルトマークが書いてなかったのでもしかして無いの?とは思いつつ、ルートの1/3近い長さに1つも無いなんて事はさすがにねー、と思って来てみたもののやっぱり無し。トポは正確でした。

諦めきれず深呼吸して何度探しても見つかるのはすごく左の方に見えるイレギュラーのボルトのみ。

やはり、本当に無いのか・・・・。

既にフォールしていて、もう一度トライする事は確実な状況で今無理に精神をすり減らすこともあるまい、と諦めそうになりつつも、必死で「こんなのYOSEMITEだったら当たり前、こんなのYOSEMITEだったら当たり前」と自分に言い聞かせて一歩ずつ慎重に進んでいき無事にTO。いやー、怖かった。

1時間ぐらい間をあけての2トライ目。

不思議なものであれだけ苦労してムーブを探った2ピン目のクリップまでの動きもムーブ探りの時よりもさらに手順を減らせて突破。最大の核心に突入するもフォール。残念。とはいえ精度はかなり上がっていたのでそれほど休まずすぐに再開してそのままトップアウト。

時間もそろそろ遅くなってきてるしなー、と諦めかけたところで「もう1回どうぞ!」というみんなの温かい言葉で30分ほど休んで3トライ目。

2トライ目で洗練されたムーブのおかげで核心までスムーズに到達、少し疲れていたものの全力で核心部をこなし、慎重に慎重に上へと進んでいき完登。最後のスラブはよくよくみるといっぱいスタンスもあるし手もいいし、落ちるような場所じゃないんですが、とはいえあの距離フォールしたらと思うと怖いですねー。

というわけでブラックホール、完登しました!ありがとうございました。

下山してから色々な人の動画を見たのですが、スタートも違えば使っているホールドも、ムーブも色々と違う所だらけで、特に核心(だと思っていた)1手は明らかに動画よりも悪いムーブで抜けていて、自分の見る目の無さに反省。

グレードがハテナになっている理由は、元々「日本100岩場3 伊豆・甲信」には5.12bとして掲載されていたものが、
最近出版された「新板 関東周辺の岩場」 菊池敏之著

で5.12cと改定されたからです。

どちらのグレードが定着するのかはわからないですが、12cでも違和感の無い課題だと思います。

ってムーブが全然人と違うしプリクリップしてしまっている僕が言っても仕方ないので、今度動画でわりと多くアップされているムーブで登ってきます。

さらに言うと「日本100岩場」では上述したように右側の「三太夫 5.8」のラインに合流するように書かれているのですが、「新板 関東周辺の岩場」では左側のイレギュラーに合流してボルトも共有する、と書いてあり上部のライン取りも違ってるみたいです。おそらく出版されたばかりの「新板 関東周辺の岩場」の方が正しいのではないかと思います。

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